昨日も、今日もどん底です。
なんのこっちゃと思われるでしょうが(笑)
昨日は、東京ノーヴイ・レパートリーシアターの 「どん底で」

今日は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出の 「どん底」

二本観て参りました。
いやあ~~~~!!!!
びっくりした。
正直言って、ケラさんの「どん底」まーったく期待していなかった。
すんません(笑)
東京ノーヴイ・レパートリーシアターの芝居はね、ちょっと違うのよ、あーた。
お芝居じゃないの、そこに本物があるのよ。
舞台に生活があるのよ!
って自負してたんですけどね、いやあ、今日のどん底、最高に面白かったです

かなり脚色すると前評判で聞いていたので、どうなる事かと思っていたのだけど、完璧だったと思う。
(いや、ちょっとそれはどうか?って思う部分もあるにはあったかも…)
ケラさんご本人が、インタビューでおっしゃってるように、お互いの関係性とか状況とかをうまく言葉をたすことによって、それで役者が舞台上で楽に生活できるようになってるんだよ。
(もちろん、本当はそんなもん台詞で足されなくたって、役者がやらなきゃいけない事ではあるんだけど

)
ただ単純に名前を「帽子屋」とか「饅頭」とか職業で呼んでるだけでも、わかりやすんだよね、ロシア語の名前って難しいからさ。
うまいよなあ。
役者が、その役を理解しているから、観客も理解できるの。
これって、当たり前のようでまったく当たり前でない話。
とくに古典においてはそうで、だから観客が、「ゴーリキーってくら~い!」とか「チェーホフって難しい~!」ってなるんだよね。
しゃべってる人間がわかってないのに、聞いてる人間がわかるわけないっつーの。
うちの演出家は、映画のフィルムのコマにたとえるけど、役者が台詞を全部自分で見れて、しかもその絵が相手にも見えないといけなの。(実生活では簡単にやれてる事です)
今日の「どん底」は、とても絵画的作品でした。
笑えたし、超泣けた。
ルカーが本当に、なんで嘘ばっかつくのかほんとにわかった。
わかったというか…感じられた。
段田さんが、めちゃめちゃ良かったです。
せつなかったなあ、今思い出しても涙が出てくる。
いい役者さんだなあ

ただね、私の大好きなサーチンの「人間」のくだりがなかったのは残念。
「人間…いい響きがするじゃあねえか…にんげん…」
この言葉をきくといつも私は涙がでる。
まんざらこんな自分も捨てたあもんじゃねえなあという気になる。
これが聞きたい方は、東京ノーヴイ・レパートリーシアターの「どん底で」を観てね。
東京ノーヴイ・レパートリーシアターの方は、ノンアレンジ、ノンカットです。
昨日の「どん底で」は、いつもの「どん底で」とまたなんか雰囲気が違ったな。
毎回観てるのに、なんで毎回あんなにどきどきするんだろ。
話を知ってるはずなのに、どうなっちゃうの??って思うんだよなあ毎回。
実は、私も今度「どん底で」に出ます(笑)
前に観たケラさんの芝居が本当に殺してやりたいくらい最悪だったんだけど、殺さなくてよかったな(笑)
それこそ「どん底で」のルカーの台詞にね
「どんな人間でも尊敬してやらないといかん。
だって、我々にはそれがどんな人間なのか、何をしに生れてきたのか、何をしでかすものやらわからんじゃないか。
ひょっとしたら、その人間は我々の幸せのため、この世に何かどえらい利益を与えるため生れてきたのかもしれないじゃないか。」
ていうのがあって、ほんとだなあと思った。
こんな素晴らしい芝居をつくる人なんだって、あの時にはわからなかったんだものねえ。
だから、どんな人も大事にしなきゃあいけないんだよ(笑)
ゴーリキーの台詞は本といいなあ…ってあらためて思いました。
東京ノーヴイ・レパートリーシアターもケラリーノ・サンドロヴィッチも、どちらでもいいけど、「どん底」体験一度してみたらいいかもです

どん底にいる人こそ「どん底」に救われると思います、ほんとに。
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