なまいきなようだけど、流行り物の作家は好きじゃない。
なんて理由で読んでなかった、梨木香歩。
『西の魔女が死んだ』が、映画になって、その映画の写真がどうも好きじゃなくて、斜にみてました。
たまたま本屋で、ぴらぴらぴら~って見てて、作家も見ずに面白そうって買った本が、
『家守綺譚』 梨木香歩著
ああ、そうだったんですか。
こういう文章を書く人だったんですね。
ほんと、すみません…
って感じ。
私の大好きなというか、敬愛する小説家、芹沢光治良先生の文章に、とてもとても似ている。
今よりちょっとだけ昔の日本。
人と植物と動物が同じように生活してて、お互いの領域を尊重しながらも、どっかさめた目で見ている。
誰も、隷属していない。
すっくと自分の足で立っている。
だからこそ、お互いに優しいのだなあと思う。
芹沢さんちの木は、芹沢さんの奥さんがなくなった時、悲しむ先生の為に、うたを詠んでくれるんですが、それを先生に「木は、木の領分を守りなさい」ってしかられるの。
そうしないと、木は木の元気がなくなってしまうのだという。
そんな風な思いやり。
とても思いやりのこもった本でした。
こんな本、素的だなあ。
そして、こんな作家が売れてる事がとても素晴らしい。
ふふふふ…
って、すごくいっぱい笑った。
私が一番笑ったのは、自分家の飼い犬と道端であって、声をかけたら犬が「お!?」って驚いた顔をしたところ。
なんか、すごくおかしい。
誰だよ、お前って思う(笑)
最近、うちの植物がぐんぐん育っていくのだけど、それは声をかけてあげてるからに違いなくて、それは、こっちも元気にしてもらう。
誰とも何もしゃべらない生活はいかんよ、本と。
電車で降りる時に、一言、「降ります」って前の人に声かけたらいいのにっていつも思う。
何で、無言で押すかな?
近頃私の中では、『電車の中、シャカシャカ撲滅作戦』実行中で、電車の中で音漏れでうるさくて、電車中で「なんだよ、あいつ、むかつく~」って思われてる人に、「スミマセン、少しだけ音小さくしてもらえませんか?」って声かけるようにしてる。
そうそすると、たいてい、無言で怒られたようになるんだよなあ。
なんでだろ?
怒ってる訳じゃあないのにねえ、ただちょっと、えくすきゅーずみーなんだけどねえ…
って、話がずれた。
この『家守綺譚』に出てくる、村田さんの出てくる『村田エフェンディ滞土録』も読みました。
これも、すごく芹沢光治良先生の本に似てる。
梨木香歩さんは、芹沢先生の影響をうけてるんでしょうか?
誰か知ってたら、教えて下さい。
『村田エフェンディ滞土録』は、かなり泣けるので、ご注意下さい(笑)
(私だけか?)
装丁がまた、かなりかわいい

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