『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』

を観ました。
大竹しのぶ × 白石加代子 × 長塚圭史
そりゃあ、もうすごかった!!!!!!
私は、なんども宣言しているが(笑)、大竹しのぶが好きじゃあない。
しかし、この大竹しのぶは、最高でした。
最初、幕が開いたときには、「あ痛~~~~っ」って思ったんだよね。
はいはい、またお芝居ですねって。
ところが、どんどん進んでいくうちに、ぐいぐい引き込まれて、お芝居だろうと、こてこてだろうとそんな事は関係ない。
すっかり、二人の女優に魅せられてました。
つい最近、私の知り合いの女性がお母さんをなくしたんだけど、その人はずーっとお母さんがなくなるまで、独身でお母さんと二人暮らしだったのね。
その二人の関係を思い出した。
愛しているんだろうけど、憎しみあってて、他人には二人ともすごく優しい人なのに、なぜかお互いにはすごく意地悪なの。
ああ、母娘ってこうだよなあと思った。
すごくリアルだった。
女優としての私は、すごく冷静に、二人の演技を分析していたりもして、最近アニシモフが「先先先!!!」とスパルタ演出をするんだけど、それはとにかく間をつくらないとか、余計なことをしないってことなんだけど、まさに大竹&白石の演技はそれだった。
目的だけを持って、ひたすら行動する。
間とか、感情とか、考えとか、そんなもんは、勝手に後からついてくるんだ。
目の前の相手に、本当の自分としてぶつかっていく姿はとても誠実で、素晴らしかった。
お互い、相手に不足はないっていうガチンコ勝負ぶりが、観ていて快感だった。
楽屋で加世さんも言ってたけど、「気心が知れてるっていうか、相手がちゃんとわかってくれてるから、意地悪くやっても平気なの。安心してやれるの」って。
相手役を信頼しないと、とてもできない芝居だと思った。
いつしか、白石さんと大竹さんではなくて、マグとモーリーンが、どっちがどっちを喰い殺すのかを、はらはらしながら見守っていた。
というと、すごくシリアスな芝居のような気がするだろうけど、それが違って、もうゲラゲラ笑った。
悪い世界の喜劇(笑)
演出もうまいんだよなあ。
演出っていうのは、役者に振り付けをする事ではなくて、作品を最後のシーンにむかって積み重ねていく事、その方法を考えることなんだと思った。
ラストの衝撃の為に、緻密に緻密にシーンを積み重ねる、繊細な仕事ぶりが小気味よかった。
まさに、上質な芝居。
ああ、舞台に立ちたい!
芝居したい!!って思った。
ぜひ、ぜひ、まだ観てない人は見てください!!
最近の、親殺しとか子殺しとか多い嫌な世の中だけど、こんな芝居を観るべきだと思うよ。
子供は、こんな芝居を観て考えたり感じたりしたほうがいい。
答えは自分で探すものだ。
芝居っていいものだなと、しみじみ思った。
こんな作品に出会えた事を感謝
テーマ : こんなの観ました! - ジャンル : 日記
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