『どん底で』という、すでに、何年も上演されている作品の中に役をもらった。
これは、私がアニシモフを知った、記念すべき作品で、大好きな舞台だ。
その中に入ることができる。
稽古は、1幕の最初をほんの一回だけ。
他は、本番の前に、ちょっとだけ。
そんなんで、初日やっちゃいました。
ごめんなさい、お客様、共演者の皆様。
どうだったかっていうと…
まあ、もちろん反省はさておいて…
めっちゃくちゃ楽しかった。
お芝居って楽しいって心から思った。
自分でない人として、自分のでない暮らしの中で生活するのは、とてもエキサイティングだ。
今まで、観客として観ていて、好きだったり嫌いだったりする登場人物と、直接話をできるんだよ。
すごいよ。
あの、サーチンと話ができるんだよ!
あの、ルカーに触れるんだよ!
すごいじゃない!!!
今日は、どん底っていう宿屋の中で、妻鹿有利花が、わくわくしながら、色んな人と話をして、遊んでもらった。
さ、次は、どうする???
『カモメ』は、今期としは、1回目だけど、前期からやってる作品。
稽古もしたよ、「先先」稽古。
これは、とにかく間をあけず、余計なことをしない稽古。
ろれつも回らなく、頭もまわらなく、ただひたすら、相手をつかまえて台詞をたたきこむだけ。
大丈夫なのかしら?と思っていたら、意外や意外。
今までの中で一番面白かったんだって。
(お客様いわく)
へ~~~???って感じですね、やってるこっちとしては。
私は、今までアルカージナなんて、大役だと思ってた。
ところが、あれ?これって主役はトレープレフとニーナで、二人の最後のシーンの為に今までの3幕はあるんだなって思ったら、すごく気が楽になったんだよね。
私は、ただひたすら仕事をして、二人の為にシーンをつなげばいいんだってね。
しかも、すばやく。
そう思ったら、緊張しなくなった。
二人の為に、二人のシーンの為に。
そこで伝えるべき、チェーホフの大きな考えの為に、無心に仕事をすればいいんだってことがわかったのだ。
うまくやろうとか、いい芝居をして認めてもらおうとか、失敗したくないとか、そんな事言ってられなくなった。
大きな目的の前で、小細工はできなくなった。
なので、ただひたすらシーンをつむぐのです。
そこで何がおきるのか。
それは、その日の神様の気分次第。
ああ、楽しい。

初日に、お花をもらったよ。ありがとう
テーマ : こんなの観ました! - ジャンル : 日記
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