えっと…
なんか、こういうシチュエーションによく遭遇する。。。
降板…急遽…代役
別にそんな日を狙ってる訳でもなく、むしろ狙えないだろって感じなんだけど、蜷川作品においては実は三度目。
これってどういう意味があるんでしょうねえ。。
「チャンスは転がっているのよ!」て事なのか?
もっと違う意味があるのかしら?
という訳で
『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
休演後、「今夜は代役でやります」のメールを頂き、行ってまいりました。
劇場入り口、ロビーには、代役のお知らせと、なんと休演した役者さんの診断書まで貼ってある。
これって、「仮病ではないんですよ!」アピールかしら???
(まあ、演劇界色んな事情の降板もありますからねえ…)

ロビーで会うスタッフさんごと、知り合いごとに、
「まさか今日来るとはね」と苦笑されました。
ほんとに(笑)
さて、以下、ネタバレ(もう千秋楽なんでいいでしょうか?)、個人的感想含みます。
『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
この戯曲、好きです。
基本、清水さんの戯曲好きなんだよね。
古臭いって言われるけど、セリフも超かっこいいと思います。
使ってる曲も、その時代も好き。
なんだけど…
う~~~~~ん。。。。
この作品、ほんとダメでした。
私の頭の中には 常に 「グ・ロ・テ・ス・ク」 の文字が。
すべてのものが胡散臭く、汚らしく、露悪的で。
露悪的なものはけっして嫌いではないのだけど、いわゆる「きれいは汚い、汚いはきれい(シェイクスピア)」がない。
美しいものが感じられない。
ピュアさが感じられない。
『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』 という戯曲が本来持っているだろう(私が勝手に思ってる)美しさがなかったのでした。。
美しくて、美しくて、悲しい。。。
そんな印象の戯曲だったのだけれどもねえ。
まあ、上演を見るのは初めてなので、作家はこう書いてるんですと言われたら、「はい私が読み違ってました!」と謝る他ないんですけど。
女って、そんなに汚くて、年をとるってそんなに愚かで、若い頃の記憶ってそんなにみすぼらしくて、若くありたいってそんなに薄汚れた事で、美しくありたいって事は、ありえないって事なんですか?
そう蜷川さんに聞いてみたかった。
若い時だけが輝いてるんですか。
三田さんは、本当にうまい役者さんだなあと思う。
本当に、100歳の老婆。
でも、彼女がセリフで言うように「私を一瞬でいいから信じさせて、私が13歳の少女だって事を」的に、私を信じさせてよと思いました。
うまいなあ…上手だなあ…
しかし、それと心をうつという事は違う。
なんで違うんだろうか。
わからない。
でも、私は彼女の演じるふーこにまったく心が動きませんでした。
なんだけど…
セリフの意味も、考えもわからないのに、なぜか鳳さんのセリフには涙がつーっと出た。
見えない目で、何かを見てるって信じられた。
そして、彼女が
「久しぶりに芝居をしたら疲れた…」と言うと、本当に、彼女の人生がちらっと見えた。
(ような気がした。まあ、私は彼女の何を知ってる訳でもないけど)
「久しぶりに、たくさんの視線を浴びて、お芝居ができて楽しかった」と彼女が去って行く時、本当に彼女の今の気持ちなんだろうなって思った。
私は、鳳さんという人をよく知らないけど、その瞬間に「ああ、この人はすごい人だな」と本当にそう思った。
彼女が死んで(役の上でだよ)、本当に1つの時代が終わってしまったんだと残念な気持ちがしてならなかった。
これは、なんだろうか。。。。
三田さんを観てて、「あれ、この感じ、誰だ!?誰に似てるんだ?」とずーっと思ってたんだけど、「あ!」と気付いた。
加代さんに似てるんだ~(笑)
加代さんだったら、どんなだったろうね、ふーこ。
それにしても、代役って凄いねえ…
やれちゃうんだねえ!!
素晴らしい。
カーテンコールで、泣いてたけど、それを観てこっちももらい泣きしてしまいました。
なんと、その日にいきなり言われて、稽古して、本番やっちゃったんだって!!
怖いねえ…
役者さんって凄いねえ。。。
まあでも、中川さんで見れなかったのは、正直残念でもありました。
その代わり、なんか凄い場面に立ち合わせてもらったなって気はしたけど。
何よりも、今日はお客さんより、舞台の上の人達が全員、楽しそうで、「やってやった感」がありました(笑)
私は、半分、お客、半分、身内みたいなところがあるので、それも感動したのだけどね。
楽屋で会った、蜷川さんは相変わらず憎まれ口のオヤジだけどハプニング好き爺としては
「今日は勝った!」と思ってたんじゃあないだろうか。
本日で、千秋楽。
お疲れ様でした!!
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テーマ : こんなの観ました! - ジャンル : 日記
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