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arika

Author:arika
妻鹿有利花 (めが ありか)

日々、派遣社員として働いたり、演出家にどなられたり、、レパートリーの稽古したり、オーディションに受かったり、二日酔いになったり、芝居がうまくいったり、ダイエットに失敗したり、動物の森にはまったり、ワークショップに通ったり、フラダンス踊ったり、している女優です。

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◆東京ノーヴイ・レパートリーシアター

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私が初めてチェーホフにふれたのは、大学の頃だったと思う。
家には、世界名作全集があったから本くらいは見てたのかもしれない。
私がはじめてやった戯曲は「三人姉妹」で、私はオーリガを読んだ。
戯曲一本を丸まる上演するとかではなく、授業中に、最後のシーンだけを抜粋してやったのだと思う。
そして、私は「秀逸です!」ととても褒められた記憶がある。
それが、はじめてのチェーホフ。

演劇人として、チェーホフに接する機会は本と少なく、それからずーっとたって。。

東京ノーヴイ・レパートリーシアターのメンバーと出会う。
(まだ、東京ノーヴイ・レパートリーシアターという名前はなかったのかもしれない)
その時に、その人と新宿駅を歩きながら
「チェーホフって何が面白いんですか~?」と聞いたのを覚えている。
その時私は、「私が正しい」のだと思っていた。
チェーホフは面白くない。
その人も本当には面白いと思っていないのだろうと。
それが、二度目の出会い。

それから、チェーホフ作品を観に行くことが増えた。

そして、昨日。。。

東京ノーヴイ・レパートリーシアター「ワーニャ伯父さん」を観た。

私は、チェーホフの戯曲の中で「桜の園」が一番好きで、どっちかというと「ワーニャ伯父さん」は好きでなかった。
なんで延々と愚痴を聞かなきゃいけないんだろう。。。
それが、「ワーニャ伯父さん」に対する第一印象。
それが、東京ノーヴイ・レパートリーシアターで何回か観るうちにどんどん変わっていき。。。

「なんてすごい戯曲だろう!!」と思うようになった。

「100年後、200年後の人達が、今の僕らの生活を見たら、なんてくだらない野蛮な生活だと思うだろうか」アーストロフが言うとき、舞台の上に、100年前の人を見る。
そして私は思う、本当にすみません、100年たった今でも生活はこうです。
いやもっと悪くなってるかもしれません。。。

今でこそ、エコだなんだといわれているが、100年以上前のロシアで、森を大切にしろ、木を切るな、そんな壮大な哲学を持った人がいた。
芸術に奉仕して、ひたすら働いて死んでいった人がいた。

テレビやら映画やらのヒーローもヒロインは本当に特別な人で、だけど私達の人生、誰も特別な人はいなくて、特別になれる人なんて、ほんの一握り以下の人達で、じゃあだれが私達の事を知ってくれるのだろう。
あの映画やテレビの主役の人はいったい誰なのか、あれを目指して生きればいいのか、じゃあいったい何なんだ。
でも、何か意味があるんじゃないのか、自分の人生は。

チェーホフの目は優しい。
ただ真面目に生きて、一生懸命働いて、死んでいく。
そんな普通の人、いっぱいいる私達の生活を描いている。
こんな誰からも目にとめられない私達の生活を掬い出して、舞台の上に載せている。
そして、チェーホフは言う
「生きていきましょう」

「ワーニャ伯父さん」は、ソーニャの目から見た人々を描いた作品だ。
ソーニャの目を通してみた人々。
その世界は優しくて暖かくて、せつない。

何者かになれると思って頑張って戦ってきた自分。
いまや、もう何者にもなれないのだと知ってしまった自分。
そんな思いを抱えてる人に観て欲しいと思う。
「目が覚めたら違う世界になっていたらいい」ワーニャ伯父さんが言う。
それに応えてアーストロフは言う。
「じゃあ、どんな世界があるというんだ」

昨日の劇場は、笑い声とすすり泣きに満たされていた。
本当に、心から笑って、目がはれるまで泣いた。
素晴らしい作品。

ありがとう。

チェーホフを知って、東京ノーヴイ・レパートリーシアターとであって、私の生活は豊かになった。
本当に、感謝。

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テーマ : こんなの観ました! - ジャンル : 日記

コメント

>せり
本当に、豊かな生活とはいったいなんだろうって最近よく考えます。

100年たった今でも生活はこうです、ってわらえる~
ほんと情けない生活です。はい。

たぶん、チェーホフは、それをも見越して、
僕たちに時をこえて、
何者でなくてもいいんだよ、ただ自分として生きていけばいいんだ、
と背中をおしてくれる作家ですね。
そんな芝居に関わりながら、少しでも世のため、人のためになれればいいなあ~
と思いなおしました。

妻鹿さんブログ、大人気なんですね。
今度秘訣を教えてくださいまし~

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