友人からすすめられたので、「春琴」を観に行く。
自分では決して買わないチケット。

もう公演は終わったけど、来年もやるかもしれないので知りたくない人は読まないように。。。
ネタバレ含みます。すごいなあと思った。
演出がハンパない。
のっけから、棒を一本立てて、それを卒塔婆として…そこから舞台は始まる。
どういう作品で、どういう演出なのか、まったくの予備知識がなかったのでびっくりした。
深津絵里は、人形だし。
というか、成人するまでずーっと春琴は人形が演じているのだ。
人形を遣ってるのも、声も深津絵里嬢だけど。
「ジブリか!?」とつっこみたくなる深津絵里嬢の声だけど、それが妙にせつなくて、孤独で涙が出てしょうがなかった。
笑えば笑うほどかわいそうだなあと。。
深津絵里嬢は上手いなあ。
本当に、その人形が春琴に思えてきた頃、ようやく人間にかわる。
と言っても、人形のフリをした人間で、その人間を人形として深津絵里嬢が遣っている。
(私は、人間だと最初気付かなかったよ。。)
「春琴」は何度も上演されている作品だけあって、完成度が高い。
一糸乱れぬという表現はこういう時に使うんでしょうねと言いたくなるほど、アンサンブルの動きもそろっていて見事だ。
ただ、レパートリー上演の効果がこういう事だけなのだとしたら、連続上演は結果としてはいいものではないなと思う。
同じ事の繰り返しは、破壊でもあるのだな。
最初に作られた時の魂はもうないような気がしたが、どうだろうか。
こなれると言うことが慣れるということであってはいけないと思う。
女生徒に教える佐助に春琴が嫉妬して、泣き喚くシーン。
胸が痛くなった。
そこからようやく生身の深津絵里嬢が春琴を演じる。
待ってました!!となるところだけど。。。
佐助の事をぶったりけったりして泣く春琴の気持ちを演じる深津絵里嬢はすさまじく素晴らしかった。
女性だったら誰でもあの感情を知っているだろう。
胸がつまる。
のだけど。。
それ以降は、。。。。
最後に、目をつぶした佐助に「私の気持ちを察してくれてありがとう。(的な意味でこんな台詞ではなかったかも)」というシーンがあるのだが、私はその後に「なーんて言うと思ったのかよ、ばーか」とでも言うのではないかと思ってしまった(笑)
そんな風に言うだろうか、この女性が??
もし言うとしたらあんな風な声で言うだろうか??
まあ、そもそもこの話自体が私にまったく興味がないというのもあるのかもしれない。
はあ、SMですかあ。。
って感じ。
時おりはさまれる、立石さんのエピソードも全く興味がわかない。
立石さん自体は、達者な役者さんだから、面白く演じてるんだけど内容が。。。
どーでもいいよね、他人の恋の話。。
しかも、うそ臭いし~となってしまった。
話に興味がない上に、感情のやりとりみたいなものもないので、あらすじを説明されてるだけに感じてしまった。
後半は、とくに「…」って

演出という仕事がビジュアルって事だけであれば、完璧だったと思う。
松の表現とか素敵だったし、ほ~って思うことがいっぱいあった。
外国で上演したら人気が出るだろうなあって思ったし、東京ノーヴイ・レパートリーシアターでやりたかった事もこれくらいお金と技術を使えたら出来たよなっても思った。
でも、一番大事な、作品を掘り下げるという事に関してはいまいちな気がする。
春琴と佐吉のちっちゃい話で終わってるんだよね。
人類が抱える普遍的な問題、それこそ超意識まで話をすすめてくれないと、二人の関係に興味がないとぽかんとなる。
ああ、私ってSMに興味ないんだなって(笑)
孤独とか、人間の欲とかどろどろしたものを描こうとしたけど、結局口当たりよくおさめちゃったって感じかなあ。
でもだからこそ誰にでも人気の、高尚な作品というジャンルに収まってるのだと思うけど。
お洒落でインテリなおばちゃんが、客席にいられるという意味では。
私としては、もっとそこんとこ描いてよ!って(笑)
でも、隣のおばちゃんはすっごい泣いてたから、感じる人には感じるのかもしれないです。
私は、基本的に恋愛物はダメなので(笑)
だって、ハッピーエンドになるってわかってるのに見るのって意味なくない???
見ながら「あれ?つまんないような気がする。。。いや、そんなはずはない…はず、いや。。あれ?」
と後半思いながら見てしまいました(笑)
観客としてよりも、役者としての観かたになってしまったかもね。
上演してて楽しい?って聞いてみたいな。
自分ではなかなか観ようという気にならなかった作品をこうやって観れる事もなかなか面白いなあと思いました。
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テーマ : こんなの観ました! - ジャンル : 日記
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