今回の身毒丸、いつも節目には雨が降っていたように思う。
ワシントンに出発のときは、大雪だったし、旅から帰るといつも雨。
休演日も、いつも雨で、「洗濯できないよ~」とため息ついたものだった。
そして今日も…
いつもどおりに埼玉へ向かう。
でも、最後の通勤路。
駅におりると大きな荷物を持った人がいっぱい劇場に向かって歩いているのに出くわす。
もしかしたら、泊まりで身毒丸を観に来た人なのかな?
劇場の前も、すでに入り待ちの人がいっぱい。
「おはよ~」と劇場入りして、たんたんと日課をこなす。
いつもと同じように。
でも、いつもと同じではないと知ってる、皆。
れーこさんが、撫子の花を持ってきてくれる。
「撫子の誓いよ(笑)」

皆に、ひとつずつ。
やめてくれ、涙腺がにじむ。
ご飯食べて、ストレッチして、美容院いって、メイクして。
たんたんと時間が過ぎていく。
「さ、皆でご挨拶いきますか~」
加代さんちから、最初。
どやどやと母達が楽屋に訪れる。
加代さんは、ちょうど着付けの最中。
「頑張ろうね~。」なんて言って、もうすでに皆うるうるしちゃう。
まだ、早いって~~

次は、身毒丸楽屋。
まだ、ジャージ姿「こんなんですけど(笑)」笑いがおきて、ちょっと普段に戻る。
私達にとっては、竜也はちっともアイドルでもスターでもない「しっかりしなよ」っていいたくなる弟(息子ではないだろなあ)みたいな存在、未だに。
他のキャストにもスタッフにも「千秋楽おめでとうございます!よろしくお願いします!」の挨拶して、蜷川さんに「こえ~~~~っ(笑)」と言われるのもいつもの事で。
そして、今日も『身毒丸 復活』幕があがる。
芝居が始まってしまえば、それはもうその瞬間だけの事で、千秋楽とか最後とかそんなことは全部忘れてしまう。
ただただ、今の瞬間、舞台の上で生きるだけ。
廊下に身毒丸家のご飯が出されてた。
もう、最後、残ったおかずを皆で食べて下さいって。

そして、母ワゴンでは、今日も撫子が買われた。
売れ残っちゃったよ、最後まで。
地獄のシーンの母達は、今日はすごかったそうだ。
最後の力を振り絞って、死ぬ気でやった(笑)
加代さんも、竜也も、あんなに疲れてたのに、全身からオーラが出てた。
はやがえで、裏を通るとき、お父さんにあったら、「終わった~~!!」って満面の笑みでハイタッチ

いや、お父さん、まだもう1シーンありますから(笑)
ハンコの踊り。
ジャン♪って決まった瞬間、会場から拍手が

お客様が、「拍手してあげよう!!」って思った気持ちが伝わってきて、おもわず涙がでてしまった。
「うわ~っ!!」って泣きそうになって、必死に我慢する。
でも、もしかしたら、手がぷるぷる震えていたかもしれない(笑)
ハンコの後は、超ダッシュのはやがえ。
舞台裏を走り抜けると、小間使いが「お疲れ様~!!」って声かけてくれた。
いつもは軽口しかたたかない衣装さんが、「また一緒に仕事したいね」なんて言うから、もう顔見れないよ。
ラストの出番を待つ大黒の後ろで、もう涙が止まらなくなってしまった。
横からともちゃんが、「まだ早いよ!」って言う。
確かにね(笑)
最後の歩き、私はいつもニコニコと子供の顔を見つめながら歩いてるのだから、泣いちゃあ、ダメなんだ。
ほほを涙が伝ってたけど、ニコニコと子供を抱けた。
身毒丸と撫子最後の道行き。
そして、幕が下りた。
カーテンコール。
自分でも訳のわからない涙が、どーっと出た。
お客様に笑顔で、ご挨拶したかったけど、泣いてしまった。
カーテンコールは、4回。
観客は、オールスタンディング。
そして、最後は、銀色の花吹雪。
隣の飯じーの裸の背中にいっぱいくっついてた(笑)
終わった。
本当に、本当に、ありがとうございました。
役者と、スタッフと、お客様と、すべてのエネルギーがこの舞台をつくりあげたと思う。
こんなに愛された作品も、そうそうないと思う。
この作品に関われた事を誇りと、幸せと、喜びと、あらゆる感謝の気持ちで思う。
楽しかった。。。。
バイバイ。
また会う日まで。

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ほんとうに・・・ありがとうございました。